ビーコンとは、

ビーコンとは、

ビーコンとは狼煙(のろし)といった意味で、現代では煙の代わりに電気・電波を使ったデバイスを表現しています。ここで言うビーコンは省電力のBluetooth4(BLE)の電波を用いてその役割を果たします。単純に発信するだけでは受信ができないため、情報を規格化し受信できるようにし、ビーコンとして認識できる事が必要になり、最も一般的な方式(データフォーマット)がアップルのiBeaconです。

GPSとの違い

GPSは衛星からの微弱電波を受信し位置を特定します。衛星を利用することから、屋外など上空が開けた場所でも、少なくても数秒間ないと電波を正確に受信できません。座標も2D(平面)になり、垂直方向には測位できませんのでビル内では使いにくくなっています。 また、GPSは電池を消費しますので、小型化や長時間運用には不向きな点もあります。

ビーコンのメリット

電源が確保できて、精度を必要としない屋外でしたらGPSが有利かもしれません。ビルの中で居場所や、店舗でレジ周辺などの位置をリアルタイムに知りたいのであれば、ビーコンとスマホで目的のシステムを構築できます。

ビーコン例えると

灯台やパトカー回転灯をイメージしてください。強い光であればその存在を判断できますが、離れた場所で弱い光になってしまい見失う可能性もあります。また、周辺の障害物や天候によっても影響される事もあります。 ビーコンの電波を光に例えるとLED1個程度の小さな出力で、発信時間も瞬きするより短い時間にすぎませんので、受信機の性能も考慮して利用することが大切です。

何に使えるか

多くの情報を送る事よりも少ない情報で「存在」「場所」を示す目的とするものです。 単純に電波を見つけ、電波強度から距離や存在を確認するために多く用いられますが、数バイト程度の小さなデータでしたら信号として送る事も可能ですので、温度などのセンサー値を電波に乗せる事もあり、アイデア次第で用途は様々です。

利用・用途

「広告起動」 「人数カウント」 「近接感知」 「捜索」 「所在確認」 「存在場所」 「センサー」 「簡易無線」 などや、 単純に「電波の有無」や「IoT機器」として利用されます。

必要な機器

ビーコン ここで説明するビーコンそのものです。
受信機 Android・iOS・RaspberryPi・各種 Applianceなど ※1
サーバ 受信機からの情報をまとめるため
ソフトウエア 受信アプリ、サーバシステム
通信回線 ビーコン→受信機  受信機→サーバ
※1 PCでも受信は可能ですが、Windows環境ではツールが少なくおすすめしません。

受信固定か発信固定

ビーコンの運用方法として2つ方法があります。1つは「1.受信機を固定」し範囲内のビーコンを発見する方法で、もう1つは逆に「2.ビーコンを固定」し、スマホなどで近接を感知する方法で以下の図のようなイメージです。

1.受信機を固定、ビーコンが移動
2.ビーコンを固定し、スマホが移動

iBeaconとコード

「iBeacon」はアップルの商標であり、BluetoothVer4.0の省電力機能である BLE(Bluetooth Low Energy) を用いたビーコン用通信プロトコル(データフォーマット)です。主に送信される情報(データ・コード)は以下になります。

Header 発信する自機の情報でMACアドレスなどを含みます。(変更不可)
UUID 主に企業コードになりますが、独自に生成可能です。(固定値)
Major 発信する大分類コードで0から65535の値を任意に設定できます。(変更可)
Minor 発信する小分類コードで0から65535の値を任意に設定できます。(変更可)
TXP ビーコンから1m離れた場所でのRSSI値(電波強度)を設定します。(固定値)
ハイビーコンではHeader以外は専用アプリを用いて書換え可能で、UUID Major Minorでビーコンを特定できるように重複しないコード設定に変更します。 TXPは通常、メーカーが電波暗室で測定した数値が入っています。距離精度を向上させるために変更する場合は、実際の利用現場で1mのRSSIを計測し書き換える事になります。(TXPを変更しても発信出力は変わりません。)

発信間隔 Advertise

ビーコンは常に電波を発信しているのではなく、間隔を開けて発信しています。例えれば灯台の光が一定間隔で光って見えるようなものです。ビーコンでは電波発信することをアドバタイズ(advertise)と言い、その間隔をアドバタイズ時間とかアドバタイズ間隔と言います。 iBeaconの仕様では以下の間隔(時間)が定義されています。

一般的なiBeacon発信間隔ミリ秒  1000ミリ秒=1秒
152.50 211.25 318.75 417.50 546.25 760.00 852.50 1022.50 1285.00

電池寿命と発信間隔

Bluetooth4からは省電力(Low Energy)機能により、より長時間電波を発信する事が可能になりました。より大容量の電池が有利ですが、携帯性が損なわれたり、重量が増えたりし用途によっては制限されます。 また、発信間隔を長くすれば時間あたりの消費電力が少なくなり、長い期間発信する事ができます。 iBeacon仕様では 0.625[ms]の整数倍で20[ms] 〜 10.24[s]となり、規定外になりますが1分や3分などにすると電池交換が不要になるほど長持ちします。しかし受信機側では長い時間見失う事になり、用途によって発信間隔を最適化する必要があります。

電波の出力 Class

ビーコンの送信出力でBluetoothの規格としてビーコン以外のBluetooth機器で適応され、用途によって使い分けられ3つのClassがあります。その強さで、Class3が1m、 Class2が10m、 Class1が100mとされています。これは必ず保証できる距離ではなく平均的な最大距離と考えてください。

距離計算

灯台の場合「灯台の明るさ」(発光)と「見えた明るさ」(受光)で判断できますが、ビーコンの場合は、「ビーコン1mの電波強度」(発信元)TXP 「受信した電波の電波強度」(受信元) RSSI、の差により計算できます。 しかし、灯台も降雨や霧、もしも障害物があれば不正確です。見通しの効く場所であれば光(電波)も素直に到達できますが、実際の現場では必ず障害物や反射物が存在し、おおよその距離とすることが現実的になります。

また、1箇所を特定するには、3点計測を行えば理論的に可能となりますが、もともとの距離が不正確なため、あまり精度が上がらないのが現実です。

以下のグラフは見通しのよい市街地で実測したもので、縦軸は実際の距離、横軸はRSSIから計算した距離になります。RSSI値には「バラツキ」があり理論曲線のようにはなりません。

Bluetoothの電波性質

2.4G帯と言われる電波を小さな出力で発信します。この2.4G帯は他の機器でも利用されWiFiでは2.4Gと5Gがありますが2.4Gが多く、オフィスなどWiFi電波が多く飛び交う場所では互いに干渉することがあります。 2.4G周波数は水分子の周波数(2.45G)と近く、水に吸収されてしまう性質を持っています。水は多くの物に含まれてBluetooth電波を吸収する事になります。金属も遮蔽や反射がありますが、現実的には障害となるのが、土・樹木・草・人間で大部分は水であり、人混みの中などで利用すると電波伝搬が阻害されてしまいます。
ちなみに、この性質を利用している物が電子レンジで、強力な2.45G(マイクロ波)を食品に浴びせ水分子に共鳴し、熱へと変換されています。そのため電子レンジの近くはBluetoothにとって厳しい条件になります。(Bluetoothは小さな出力なので人体には影響は無いとされ、医療機器にも用いられます。)

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